社内のコロナ陽性者を公表するべきか
『コロナの陽性者が出てしまったのですが、公表すべきでしょうか』
このような声を何度か頂くことがあります。
実際にそのような状況の方は本当にお困りだと思いますし、数も少なくないと思います。
企業理念や組織風土を踏まえ、様々な状況やご意見があると思います。
そのうえで私の結論としては、公表すべきだと考えています。
理由としては、今後の経営・事業継続を考えた際の透明性を担保すべきだということです。
具体的には企業姿勢やブランディングの観点からその様に判断します。
地元仙台市のホームページによると、公表は促していないと明記されています。
ニュアンス的には自己判断で、といったところでしょうか。
https://www.city.sendai.jp/kenkoanzen-kansen/jigyosha/chousa.html
結論の前提として
当然にコロナ感染症対策を怠らずに実施している上での罹患・陽性の場合を想定しています。
また、行政や保健所からの通達を遵守すべきは言うまでもありません。
今現在公表する場合
自社からのコロナ陽性者を公表してもステークホルダーから一定の理解は得られると考えます。
理由は、日本国内・全世界的にどの事業者も同じ悩みを抱えており
対岸の火事ではないと共通の理解が得られているためです。
つまり、リスク所有者としての協調性が意識的・無意識的に
全事業者レベルで醸成されていると言っても差し支えは無いでしょう。
そのため、コロナ陽性者公表企業を忌避・責めるようなスタンスは
周囲から好ましくないと受け止められると同時に
自社従業員が罹患した際に痛手を負うことになります。
ただし、どの業種業態においてもアフターケアは必要です。
コロナ対策を十分に施していたとしても、その情報のみを仕入れた慎重な考えの方からは
『あの会社(店)陽性者が出たんだ。コロナ対策が甘かったのかな?ルーズな会社なのかな?』
と不安視される場合ももちろん考えられます。
そのため、これまでに施してきたコロナ対策、陽性者が発生した経緯、
今後の強化したコロナ対策を公表と同時に十二分に発信します。
例えば一連の流れに関して外部から質問をオープンに受け付けることも有効だと言えます。
形式的な公表に終始するのではなく、「ここまでします」という姿勢を示すのが重要です。
その姿勢・発信が信頼の獲得につながる事は言うまでもありません。
何より慎重なユーザーこそ、後々の顧客として長く愛顧を頂けることでしょう。
また、公表しない場合についても考えます。
後々にコロナ陽性者が発生していた事実が認知された場合のリスクは存在すると言えます。
というのも、何故公表しなかったのか、といった疑念が必ずつきまとうためです。
何故公表しなかったのかという質問に、妥当性のある回答が示せるかどうかがポイントです。
組織的に隠蔽体質なのかとのマイナスの企業イメージを形成されてしまってからでは
そのイメージ払拭、信頼の回復に多大な労力を要することになります。
各所に様々な影響を及ぼす新型コロナ感染症ですが、対応も様々です。
全く対処方法が存在しない、ということはありません。
ピンチはチャンス、機会と脅威は紙一重。裏表の関係性です。
コロナ感染症に関わらず、何事もポジティブに今後の経営に生かせればと思っています。
社長や経営者、会社といった単独で悩まず、各所に相談することで選択肢・解決方法が広がります。
判断にお悩み・お困りの際は是非お声がけください。